以前、アクティブファンドの大半がインデックスファンドに負けるという記事を書きました。
長い目でみると、信託報酬などの高い運用コストの分だけアクティブファンドが不利になるのが敗因ですが、優秀なアクティブファンドは一部で存在します。しかし、それ以上にダメな「隠れインデックスファンド」が目立っていることが原因の1つです。
こんにちは。ジョーロと申します。現在は地方で家業を手伝っていますが、証券会社でのフィナンシャルアドバイザーや、投信評価会社でのファンドアナリスト、国内外の資産運用会社でのファンドマネージャーやレポーティング等として従事していた「投信の元プロ」です。金融機関の立場ではなく、投資家の立場に立った有益な情報をお伝えできたらと思います。
「隠れインデックスファンド」とは、アクティブファンドと名乗っているものの、実質的にはインデックスファンドとほとんど同じ運用しているファンドです。「隠れパッシブ」や「アクティブもどき」の運用と呼ばれることも。外国では「クローゼット・トラッカー・ファンド」と呼ばれ、押入れ(クローゼット)の中でこっそりと指数に連動(トラック)させるファンドという意味です。
インデックス
ファンド
このファンドは指数を上回る運用を目指すアクティブ運用するので、手数料は高いですよー。
手数料は高いけど、アクティブファンドのリターンに期待して購入します。
インデックス
ファンド
へっへっへ
実際の中身は、手数料の安いインデックスファンドとほぼ同じだけどね
2015年ごろからヨーロッパで「クローゼットトラッカー問題」が大きな社会問題になり、ノルウェーでは損害賠償訴訟となり、資産運用会社が負けました。日本の金融庁も2021年に「資産運用業高度化プログレスレポート2021」を公表し、クローゼットトラッカー(=隠れインデックスファンド)の問題を指摘しています。
一昔前の日本のアクティブ運用では、ファンドマネージャーは大負けしないことが重要視されていました。大負けすると上司や投資家から責められるので、初めからTOPIXや日経平均株価の構成銘柄と同じような資産配分にして、指数と近いパフォーマンスにしていたらそれで良かったのです。
隠れインデックスファンドの見抜き方
隠れインデックスファンドかどうかを見極める指標として「アクティブシェア」があります。
指数と比べて保有銘柄や配分がすべて異なると100%、完全に一致すると0%になります。
一般的には80%を超えるとアクティブ度合いが高いとされますが、日本国内でこの指数が公表されているファンドがほぼ無いのであまり実用的ではありません。
見抜き方としては、各ファンドの月報(マンスリーレポート)などで上位組入銘柄を、参照指数(≒ベンチマーク)にしているTOPIXや日経平均株価の構成銘柄と比較することです。上位銘柄がほとんど同じ配分で構成されていたら隠れインデックスファンドと見なして良いでしょう。
ただし、参照指数(≒ベンチマーク)と全く異なる銘柄を組み入れていたとしても、そもそも銘柄選択が上手くいかずに結局パフォーマンスが悪いこともありますので留意してください。過去の運用成績なども参考にして、総合的に判断すると良いでしょう。
本日はここまで。それでは、チャオチャオ!