ファンドマネージャー(ポートフォリオマネージャーと呼ばれることも)は、顧客から預かった資金や自社資金で作られたファンドを運用方針に基づき、株や債券などを売買して運用する人たちです。
主に、資産運用会社、証券会社、銀行、保険会社などに所属しています。社内外のアナリストやエコノミスト、ディーラーたちの意見を参考にしつつ、マーケット状況や企業業績を研究し、最終的に銘柄選定を実行してファンドのリターンを追求していきます。
場合によっては何千億円、何兆円にも上る資産を運用することになるので、華やかなイメージがあり、一般的には、ファンドマネージャーは花形と言われています。
こんにちは。ジョーロと申します。現在は地方で家業を手伝っていますが、サラリーマン時代は、大手証券会社でのフィナンシャルアドバイザーや、大手投信評価会社でのファンドアナリスト、国内外の資産運用会社でのファンドマネージャーやレポーティング等として従事していた「投信の元プロ」です。金融機関の立場ではなく、投資家の立場に立った有益な情報をお伝えできたらと思います。
日本株のファンドマネージャーは肩身が狭いことも
僕は社会人の新人時代に証券会社での頑張りが評価され、運よく希望していた資産運用会社に出向させてもらいました。当然、日本株のファンドマネージャーになりたかったんですが、
当時、出向先のお偉いさんに、こう言われたのです・・・
よぉ、ジョーロ。
がんばっとるか?
はい!日々精進しております。
おまえ、日本株のファンドマネージャーになりたいんやってのぅ?
はい!リーマンショックで損した人達をたくさん見たので、皆さんを儲けさせたいです!
ほうか。でも日本株はやめとき。
誰が日本株ファンドなんて買うねん。日本人は個別で日本株買うわい。
言われてみれば、、証券会社で日本株ファンドを購入するお客さんは見たことないかも…分配金が高い外国債ファンドばっかり買ってたなぁ
(※2009~2011年の当時)
これからは外国株や外国債券のファンドの時代や。
外部委託のファンドマネージャーになりなはれ。
日本株の運用チームなんてどこも縮小中やで。
(※2009~2011年の当時)
結局、日本株ファンドではなく、当時売れ行き好調の外国株や外国債券ファンドの運用チームに配属されることになりました。
敏腕の日本人ファンドマネージャーを全面に出してプロモーションしている日本株ファンドはわずかに存在しますが、その数は限られています。
運用のアウトソース化
日系の資産運用会社のファンドマネージャーが実際に自社で運用(インハウス運用)しているのは日本株、日本債券、J-REITが中心です。それ以外の外国株式、外国債券、外国REITなどについては、外国現地の資産運用会社に運用をアウトソースする場合が大半です。
例えば、日系の資産運用会社の商品で、米国株ファンドの投資信託があると思います。これは、日本の資産運用会社のファンドマネージャーが米国株式の銘柄選定を行うのではなく、米国の資産運用会社に所属する米国現地のファンドマネージャーが運用する外国籍ファンドに投資します。ファンドが他社ファンドを購入する、ファンド・オブ・ファンズというスタイルになります。
日本のファンドマネージャーは、外国籍ファンドの運用状況のチェック(デューデリジェンス)やモニタリングを行います。彼らは、ファンドマネージャーの中でも、「外部委託ファンドマネージャー」や「ゲートキーパー」と呼ばれたりします。
外資系は給料が大幅UPするが、、、
ファンドマネージャーといえど、サラリーマンです。一般的には高給と言われますが、資産運用会社のひとつの職種にすぎません。日系だと30~40代の年収は800万~2,000万円程度です。
外資系になると給料は大幅に高くなります。人にもよりますが30~40代の年収が1億前後の人も。しかし、外資系の資産運用会社では、運用チームが欧米の本社にあることが多く、日本人が日本株のファンドマネージャーとして就職することは難しいです。
日系での「外部委託ファンドマネージャー」や「ゲートキーパー」のような職種の方が、外資系でキャリアアップできるチャンスが多いです。
外資系には本国の運用部門との連携やモニタリングを行う部門が存在し、「プロダクトスペシャリスト」や「プロダクトマネージャー」と呼ばれることがあります。日系の外部委託ファンドマネージャーに近い職種で、銘柄選択を直接行うことはありませんが、外資系での運用部というと、一般的にこの部署を指します。
世界的に有名なヘッジファンドマネージャー
レイ・ダリオやジョン・ポールソンなど世界的に有名なファンドマネージャーは年収何千億円も稼いでいますが、彼らはサラリーマンではなく、ヘッジファンドの創業者、つまりオーナー社長だから凄まじいという印象です。
ちなみにヘッジファンドとは、投資家が50名未満までしか勧誘されないプライベートな私募のファンドです。私募なので目論見書や有価証券報告書、決算内容が公表される必要がなく、ある程度ブラックボックスな運用が行われており、特定の指数(ベンチマーク)にとらわれず絶対収益を目指します。富裕層や機関投資家(金融機関や年金など、プロの投資家)しか投資することができません。
日本でも、数名でヘッジファンドを立ち上げて、数億円を拠出して運用開始し、運用成績が良ければ大口の投資家が投資してくれて、数百億円の規模に拡大する。そこでパフォーマンスが良ければ成功報酬が20%ぐらい入ってくるので、社員数名だと一人あたり1億円越えの収入を得る。というサクセスストーリーはあると思います。すごく難しそうですが…
あくまでも職種の一つ
ファンドマネージャーだから花形というわけではなく、その立ち位置や収入は、会社や人によってまちまちです。サッカー選手でも、近所で草サッカーしてるおじさんから、プレミアリーグなどで大活躍しているプロ選手がいますね。
本日はここまで。それでは、チャオチャオ!