
長期投資では相場の上下に一喜一憂する必要はありませんが、経済情勢や金融市場の動向を把握することは重要です。特に米国は世界経済の中心であり、その株式市場の動きは、日本を含む世界の市場にも大きな影響を与えます。本記事では、ここ最近の米国株式市場の動向について解説します。
米国株が選挙前の水準まで調整
2024年10〜12月期の米国企業の業績は28%増益と3年ぶりの高水準で、ITや金融、半導体、小売りなどと幅広い業種で堅調でした。一方で、米国株式市場は、S&P500が2025年2月19日に高値を付けた後、調整局面に入り、大統領選挙後の上昇分をほぼ打ち消しました。

トランプ政権による関税引き上げやインフレ懸念、ウクライナとロシアを巡る地政学リスク、ハイテク株(マグニフィセント・セブン)の売りなどが影響しています。
1月の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.0%と、インフレが高止まりしており、FRB(連邦準備制度理事会)は利下げを急ぐ必要がないと見解を示しています。一方で、2月の失業率は4.1%と低水準ながら、パートタイム労働者の増加など雇用の質の低下が懸念されています。また、小売売上高も1月に前月比0.2%減少し、消費の鈍化が見られます。アトランタ連銀のGDPナウは、第1四半期のGDP成長率を-2.8%と予測しており、不透明感が強まっています。

一部の投資家は、米国株式の調整を受けて投資先を欧州にシフトしています。資産を守るうえでは、米国株一点集中よりも分散投資が重要ですが、欧州の経済全体としては課題が多く、景気が良いとは言い難い状況なので、期待を大きく持ちすぎないほうがよさそうです。
2008年以降、欧州株は一貫して米国株をアンダーパフォームしてきたが、米大統領選以降は逆転。背景には、マグニフィセント・セブン(米テック大手7社)の急騰による過熱感があり、割安なバリュー株として欧州株に注目が集まっている。 pic.twitter.com/djXcZ3FypH
— 藤岡優一@金融教育する建設会社アトツギ (@snowball_jorro) February 28, 2025
このところの米国株式市場の動きは市場心理によるもので、企業業績や経済に現時点で大きな問題があるとは思えません。マグニフィセント・セブンの時価総額比率が高く、市場全体への影響が大きい点には注意が必要ですが、短期の変動に振り回されず、長期目線での投資戦略が重要でしょう。
本日はここまで。それでは、チャオチャオ!