
最近はスペースXの上場やW杯の話題で世間が盛り上がっていて、ついつい夜更かししてチェックしてしまいます。
「ロックアップ期間が終わっても、このまま上昇続くんやろか……」
「オランダと良い試合したけど、日本代表っていつも強豪以外に負けるから心配よね」とか。
ついつい「外の世界のビッグニュース」に目を奪われがちですが、ふと自社に目を向けたとき、
「いや、実は中小企業の経営者こそ、誰よりも命がけの特大エンターテインメント(超・集中投資)を日々やっているよな」と思います。
実際、多くの中小企業の経営者は、過酷な「集中投資」を強いられています。
なぜなら、以下のようにすべての経営資源と個人資産が、自社と地域に集中しているからです。
- 自分の会社に人生(労働・資本)をかけている
- 地域経済の影響を受ける
- 業界の景気に左右される
- 会社の業績と、個人の役員報酬・資産が直結している
たとえば、地方の建設会社を経営されている方であれば、地元の景気や、公共工事・民間投資の動きで、ビジネスの命運が大きく変わってしまいます。
だからこそ、個人の資産運用まで、これらと同じ方向に賭ける必要はありません。
「自社ビジネスのリスク」を補完するという考え方
中小企業の経営者にとって、投資で大切なのは「儲かるものを探すこと」ではなく、
会社のリスクを補完することです。

例えば、
ガソリン代高騰で苦しむ運送会社
燃料費が上がると利益が圧迫されます。
そんな時、
原油ETF
を保有していれば、燃料高による損失の一部を資産側でカバーできる可能性があります。
地元の本屋さん
ネット通販の拡大で影響を受ける可能性があります。
だからこそ、
米国のAmazon株
を持つという考え方もあります。
自社事業と反対側の成長を取り込むイメージです。
地方の建設会社
人口減少や地域経済の影響を受けやすい業種です。
そのため、
全世界株式(オルカンなど)
を持つことで、日本や地域経済だけに依存しない資産形成ができます。
国内向け製造業
日本国内の景気が悪化すると業績に影響を受けます。
そんな場合、
- 輸出関連企業の株式
- 海外売上比率が高い企業の株式
- 外貨建て資産
を持つことでリスク分散が可能です。
住宅販売業
住宅ローン金利上昇局面では販売が鈍る可能性があります。
一方で、
銀行株
は金利上昇によって収益が改善するケースがあります。
業績が逆相関になりやすい資産を持つことで、資産全体の安定化につながります。
経営者の最大のリスクは「会社一本足打法」
多くの経営者は、以下のすべてが自社という1つの箱に集中しています。
- 自社株式(売却しにくい事業資産)
- 会社への役員借入金(貸付金)
- 日々の生活を支える役員報酬
これは、一般の会社員が想像するものをはるかに超えた「超過酷な集中投資」の状態です。
万が一、業界全体を揺るがす構造変化や地域経済の地盤沈下が起きたとき、本業も個人資産も同時に共倒れしてしまう。これこそが「一本足打法」の恐怖です。
だからこそ資産運用では、「自分の会社と同じ方向の投資先」を避け、「自分の会社とは違う値動きをする資産」を持つことが鉄則になります。
分散投資の本質:会社では「攻め」、個人では「守る」
分散投資とは、「一番儲かる一発逆転のシチュエーションを当てるゲーム」ではありません。
「本業や会社がどんなに苦しい局面であっても、家計や個人資産だけは絶対に守られている状態を作ること」
これこそが、中小企業経営者にとっての正しい分散投資のあり方です。
そして、社長が個人資産を安全に保つことは、決して「自分だけの保身」ではありません。
社長の足元が盤石だからこそ、心にゆとりが生まれ、会社を成長させるための大胆な設備投資や、従業員の雇用・幸せを守るための次の一手へと果敢に挑戦できるようになるのです。
- 会社経営(本業): 独自の強みを活かし、未来への投資と「集中投資」で大きな利益を狙う(攻め)
- 個人資産(運用): 「分散投資」して、何があっても揺るがない土台を作る(守り)
この絶妙なバランスを保つことこそが、経営者自身、そして会社と従業員を未来永劫守り抜くための、最も合理的かつ誠実な資産形成の最適解ではないでしょうか。
本日はここまで、それではチャオチャオ!

